梟の骨 23

 

数メートル感覚で壁や床に張られている結界の札や魔法円を見ても、安心できる要素などなかった。ただの気休めだろうな、という燐の考えたことを読み取ったように、 でも何もないよりはいいかもしれないよ、と雪男が言った。
「でもメフィストが名前も何にもねえから効くものがないって言ってたしなあ」
「そうだろうけどね、相手がだんだんと変貌していく悪魔ならそのうち引っかかるものもあると思う。何もないよりいいさ」
「…こういうのなんていうんだっけ…ヘタな、えーとヘタな」
「ヘタな鉄砲も数撃てば当たる?」
「おーおーそれ!おまえの鉄砲みたいな!」
「なんだよそれ…僕外さないけど」
少なくとも兄さんの前で外したところは見せてない、とむすっとしていれば燐は、ケケケ、とイタズラの成功した子どものように笑った。そんな双子の足元にはクロがちょこちょと歩きながら、 時折ふんふん空気の臭いを嗅いでいる。
「クロ、じゃあ僕が側にいない間は兄さんを頼むよ」
祓魔塾に向かうまで、雪男は一度職員室に行かなければならないので、足元のクロを撫でて声をかける。クロは頼もしく、にゃん、と鳴いた。
「まかせろ、ってさ」
「ほんと頼もしいね」
くすくす笑う雪男にクロは足元に擦り寄って匂いをつけ始める。クロ曰く、いざ燐と雪男が離れてた時に何か起きたら匂いを辿ってすぐに雪男のところへ行けるように、ということらしい。 ただコートの裾に猫毛がついてしまったので雪男は苦笑いをしていたが。その間に燐がちらりと職員室の中を見れば、ほとんど講師がいなかった。おそらく連絡番だろうか椿が席に座っているぐらいだ。 他の先生は?と聞けば、
「巡回だよ。塾のある場所だけじゃなくて普通の学園の方にも必要だから、人手が足りなくてね」
燐が少し目を伏せる。あれがいつ襲ってくるのかわからない。そもそも居場所もわからないので、今は交代制で塾のある場所以外にも一般の学生がいる学園にも出向いているという。 燐も普段ならば塾だけでなくシュラとの特別カリキュラムがあるのだが、それもないということはシュラも借り出されているのだろう。 あれの狙いは燐だ。しかしそのことは他の祓魔師にも塾の仲間にも告げていない。告げるならば必然的に燐の例の力について話さなければならないので、それはやめたほうがいいだろう、と二人で話し合って決めたことだった。 シュラにも話していない。時期が来たら話すつもりではあるし、何か察したとしてもシュラなら無理に聞いてこようとはしないだろう。 それには今朝のメフィストからの電話で、そのことについて周りにはまだ告げないように、と忠告されたせいでもあった。今それを知られればどこからかヴァチカンに漏れでもすれば、燐は強制的にヴァチカンに連れて行かれるだろう、と。 ヘタをすれば試験の合否を待たずに処刑もありえる。燐にまだ祓魔師としての資格や力がないうちにバレるのは危険が大きすぎるのだ。
「兄さん、罪悪感を感じることはないよ」
普段神経が図太いくせいにこういうところで燐はとても繊細だ。大事なことを隠している自覚があるならなおさら。 弟の言葉に兄は少しだけ寂しそうに微笑むと、おう、と言って軽く雪男の肩を叩いた。
「何か察知したらすぐに連絡して、絶対に独りではもう無理しないで」
「わかってるよ」
あれから、双子の間でできた決まりがこれだった。
独りで絶対に無理をしない。何かあれの居場所を感じたら雪男に連絡する。雪男が側にいないときはクロを側に置いておく。燐は大げさすぎないか、と思ったがそんなことを言えば最初に約束を破ってあれに独りで突っ込んで胸に傷を負ったのは確かなので、 言い返すの止めておいた。正直、燐は直感的に本能的に行動することが多いので、自分でも勝手なことをしないか自信は持てないのだが。
雪男と別れて廊下を歩きながら少しだけ気を張りつめる。
あれから、あれの気配を感じていない。正直、あれが近づいてくることがあっても察知することができるかわからないが、燐は左胸にそっと手を添えた。冷えているそこはそれ以上に上がることもないが下がることもない。 前触れがあるとしたらここからだろうか。あれと向き合ったとき、燐のここから何が流れ込んでくるのかわからない。それが少し恐いとも思う。愛された自分には持ちようもない、あの絶望。あれと正面から向き合ったとき、 自分は呑まれずにいられるのだろうか。燐は足元をうろうろするクロに笑いかける。それは自分の不安を晴らすためでもあった。
塾の教室に近づく。本当に思うと今は塾に行くのも気が重かった。もし授業中にあれが来てみんなに怪我させることになったら、というのもあるのだが、勝呂と気まずいままなのだ。 いや気まずいのは燐だけで、勝呂は一人で怒っているようにも見える。
「あ、奥村君?」
ぼうっとしていたので呼ばれて驚いて振り向けば、子猫丸と志摩と、少し後ろに勝呂がいた。その後ろには不本意そうだがしえみと並んで歩いている出雲達だ。
「お、おう、なんだー今日は俺が一番のりか!」
誤魔化すように笑えば、ちょうどよくクロが鳴いて子猫丸達の興味はそちらに注がれた。
「今日はクロも一緒なんやねえ」
子猫丸はうれしそうに猫じゃらしを取り出してクロと遊び始め、それを見て出雲がぷるぷる震えていたのだが何故だろう。三輪くん私もクロと遊びたい、としえみがそんな彼女の腕を引いて、 輪を作ろうとした。出雲は焦っていたが珍しく彼女を見ても逃げないクロに感動したのか、紫の目が輝いているのを隠せない。途端、人気者のクロに燐も楽しい気分になる。
それと同時に思う。本当に普通の人間であるみんなを、巻き込んでいいのだろうか、と。
「…勝呂」
ただ一人、勝呂だけはそんな雰囲気には加わらず相変わらずの仏頂面で燐の横を通り抜けようとした。
「なあ、勝呂!」
ぴた。扉をくぐる直前に勝呂が歩みを止める。
「なあ、なんでそんなに怒るんだよ!俺なんかしたか!?悪いことしたなら謝るからさ!なあ!」
「……」
二人の絡みに和やかだった塾生のみんなも息を飲んだ。せっかくクロと遊んでいたのに悪いなあ、と思いつつももどかしい気持ちは止まることはない。せっかく仲良くなれたと思っていたのに、 原因もわからずに。
もしなにかあってあれに呑まれることがあったら仲直りもできなくなる。燐も自覚せぬままそんな不安を抱えている。
「…あああああもうおまえは!!」
先に痺れを切らしたのは勝呂だった。が、っと燐の腕を掴むと有無をいわせぬ力で廊下まで引きずりだされ、おお?と戸惑う間に奥まで連れて行かれた。後に残された塾生達は、ぽかん、と二人が消えた廊下の向こうを見つめていて、 唯一、志摩だけが苦笑していた。



「おまえ、は!」
腕を掴まれ廊下の奥まで引きずられたかと思えば、どん、と壁に投げつけられる。もちろん加減したのかそもそも燐は丈夫なので痛くはなかったが、突然のことに呆然とした。 雪男とほぼ変わらない身長の勝呂が般若のような形相で見下ろしている。何故か冷や汗が流れるほどだ。
「いや、あの、勝呂さん!?ほんとになんでそんなに怒って!?」
「お、ま、え、は!?ほんまになんでわからんのや!?そこまで阿呆やったとは思わんかったわ!」
「な!アホアホいうな!アホっていうほうがアホだ!」
「やかましい!そういう話をしとるんやなくてな!」
「じゃあどういう話だよ!?」
「だから---------」
勝呂は本当に疲れたように息を吐く。頭痛がするのか米神を指で揉むと、もう一度、はあ、と息を吐いた。
「おまえは……京都の時からなんも変わらんやんけ…」
「…は?」
ワケがわからなくて眉を寄せる。勝呂は髪をぐしゃとかき乱すと、どう言葉を出したらいいのかわからずもぞもぞ口を動かすばかりだ。それがどうも勝呂らしくない、と燐は思う。
「…おまえ…確かに俺らとは違うところあるから…全部が全部話せるわけやないとはわかっとる」
ち、っと舌打ちする勝呂を見て燐は目を見開いた。
「でもなあ…もう少しこっちも頼ってくれ…。あんなふうにもう独りで飛び出すな…」
これでも心配しとるんやで。
「………」
「その傷だって普通やないって理事長言ってたやろう…そんなのに、なんでもない、って言うだけやし。あー…要するにな!おまえはもっと危なっかしいおまえを見とるこっちがどんな気持ちでおるか…そういうことにも気づけえ!」
ぺしん、と頭を叩かれたが燐は目を丸くして勝呂を見上げるばかりだった。上手くいえなかったせいかそれとも気恥ずかしかったせいか、勝呂は、くそ、っと悪態をつくとどすどすと廊下を歩いてそのまま教室に入ってしまう気配がした。 びしゃん。少し乱暴に扉が閉められる音。
「…なんだよ…」
情けないが、じわ、っと目が熱くなる。慌てて腕で拭った。一昨日、雪男と抱き合って泣いた余韻がまだ残っているようだった。なんだよお、と燐はまた呟く。
なんで俺の周りって、
「奥村くん」
壁に寄りかかったままだった燐を覗き込むように志摩がいた。驚いて肩が跳ねたが、目元を腕で拭ったところを志摩は見なかったことにしてくれるらしい。ピンクの頭を掻いて、へら、っと笑って、堪忍な、と志摩は言った。
「坊なあ…あれでもけっこう凹んでたんよ。あん時なあ、自分なんもできへんかったって」
ぽつり、と語る志摩の言葉を、燐は黙って聞いていた。
「頼れ頼れ言うたのに俺があんなんじゃあ、あいつも頼りたい時に頼れへんって強おならなあかん、って」
燐は首を横に振った。勝呂もみんなも頼りないなどと思ったことはない。キャンプのときも京都のときもみんな助けてくれた、仲間のためにいつも戦ってくれた。 あの時だって、手騎士の人を受け止めてくれたじゃないか。暗闇の中で燐の呼びかけをしっかり聞いて。燐の言いたいことがわかったのか、志摩は、
「…それでも坊はそう思うんや。実はなー俺もすこおし凹んだ。女の子が目の前で傷つけられたのになんもできへんかったし。…奥村くんはすごいと思う。でも、 確かに無茶するとき心配やっていう坊の気持ちもわかるし。なんや頼りないのばっかりやけど、せめて独りでなんとかしようとするの、もう止めて欲しいって…」
坊はそう言いたかったんちゃうかな。
ぽんぽん、と肩を叩かれる。志摩はまた、へら、っと笑うと、もういこか、と燐を促した。燐はゆっくり廊下を歩く。教室の前ではみんなが心配そうに佇んでいる。 でもしえみと子猫丸は黙ってハンカチと目薬を渡し(この時燐は自分の目が充血していたことを知って恥ずかしくなった)、出雲はいつものようにツンツンしていたが、仲直りできたんならよかったじゃない、と言葉をかける。
なんで俺の周りって、こんなにいい奴らばかりなんだろう。
燐は自分は恵まれていると思っている。
たとえ、悪魔の神の力を継いでしまったことを不運だと不幸だとこれから先、大人達に言われることがあったとしても、その時自分は、 いいや俺は幸せで恵まれてる、と胸をはって言えると、 強くそう思った。
たとえ、あれに呑まれても。











その日はさらにいつもと違うことが起きた。
講師が代わる代わる授業を始めるなか、巡回の番が回ってきたので、と雪男が専門ではなかったが、最後の授業を担当した。 なんとなくぎくしゃくしつつもそれはお互い気恥ずかしいだけだから、という勝呂と燐の妙な雰囲気に気付いただろうか。たぶん気付いたと思う。 そういうとことは鋭い弟だし、時々、二人を交互に見ては笑うのを堪えているようだった。弟のその様子に、ちくしょう、と燐は教科書を強く握り締める。
そうして授業が全て終わったとき、教科書を片付け寮に戻るため慌しい状態になる教室にシュラが入ってきたのだ。雪男は少し怪訝そうな顔をして「巡回はどうしたんですか?」と言ったが、シュラは構わず、 扉の向こうにむかって、おそらく英語で、入って来い、と投げかける。
「…あ」
「………」
ブロンドの髪をゆらして入ってきたのは、あの手騎士の少女。
「礼、言いたいんだってさ」
女が言いにくそうにルージュをさした唇を舐めているのを見て、シュラが代わりに伝える。灰色の目がまず志摩と勝呂と見て、ぺこり、と頭を下げた。ぱさり。ブロンドの髪が肩に滑る。 小さな綺麗な声で、ありがとう、と。そして、灰色の目が彷徨いながらも、今度は燐に向けられた。燐は途端、背筋を正してみるがなんとなく居心地がつかめない。
吸い込まれそうなほど綺麗な灰色の目。
思えば彼女のこの目もまた、人ならざるものが持つ目なのだろう。白くて並びのいい牙も。整った容姿も。きっと悪魔だという母親から継いだのかもしれない。 ふと、母親のそんな性質を継いだ彼女は今までどう思って生きてきたのだろう、と燐は考えた。
「あ、…」
細くて綺麗な声も。淫魔だという母親から継いだことを彼女はどう思って生きてきたのだろう。
「あ…ありがとう…ござい、ました…」
「俺…」
「……」
「…なんも、してねえよ…」
彼女は首をかしげた。シュラが耳元で通訳している。それを聞いて、彼女は英語で必死に何か言い始めたが燐にはさっぱりだ。シュラが、仕方ねえなあ、と日本語に変換してくれる。
「『そんなことない、命を助けてもらった!』ってさ」
それだって自分と関わらなければ傷だって受けることはなかったはずなのに。女の子なのに。
「『傷はもう大分治ったし、もう本部に帰らなきゃいけないから今言わないと、と思って』」
自分は礼を言われるようなことは何もしていないと思う。今までだって何かしてきたんだろうか。
「『あなたは勇敢でしたそして優しい。ただそれだけ。本部にもあなたに不利になるようなことは言いようがないぐらい』」
ひゅう、とシュラが揶揄するように口笛を吹いて、なんだ、と思えば彼女は教壇を降りて燐の目の前に立っていた。思わず燐も席を立つ。人のものではないだろう。彼女という容姿が全部燐に向けられている。
「『私は悪魔の本能にもう負けません。最初のことを許して欲しい』」
白い手がぎゅっと燐の手を取った。その際に、何か握らされる。あらかじめ持っていたのだろう。足元では彼女のスズランの緑男がいて、きゅう、と鳴いていた。 主を助けてくれてありがとう。とクロのときみたいに意志が流れ込んでくる。
灰色の目が、柔らかに細められる。その中にいる燐はぽかんと口をあけてなんとも間抜けな顔だったが、青い目を、神の力と同じ色を持つ人ならざる目を、彼女は逸らさず真っ直ぐに。
「あ、…なたに」

白い手が燐の手を離して、その手の中に握らされたものを見れば、それは小さなふわふわした蕾をたくさんつけた黄色い花だった。

「…あなたに、」

お導きが、あります、ように。

「神の」とは彼女は言わなかった。



「…ぶふっ…!あーもうだめだあ!若いっていいねえ、にゃはははは!!あ、あたしもまだまだ若いけどねー!!」
シュラの笑い声でしんとしていた雰囲気はぶち壊され、我に返った燐が顔を真っ赤にしたのを、志摩に、ええなあ、と嘆かれからかわれ、何故か勝呂もしえみも顔を真っ赤にしている。 出雲もだがそっぽを向いて見なかったふりを決め込んでいた。ただ、雪男は、穏やかに微笑んでまるで、よかったね仲良くなれて、と言っているみたいで、燐はますます顔が熱くなる。 そんな顔を真っ赤にした男を前にしても彼女はちっともつられないで、毅然と微笑んでいた。将来かなりの大物になりそうだ。とシュラが笑いながら言っていた。 こういう時なんて返すべきなのか、燐にはこれっぽっちもわからない。情けないといわれようが、わからないものはわからない。とりあえず、ありがとう、と言うしかできない自分が男としてどうかとは思うが、 それ以上は勘弁して欲しい。そんな焦る燐を置いて彼女はマイペースだった。
「あ、なたの、なまえ、」
りん、でいい?
自分をやわらかく指で指し示す。そのとき一指し指の爪が折れているのに気付いて、燐は、ちくり、と胸が痛んが、うん、と頷く。
「…そういえば、あんたは?」
通訳できないほど笑っているシュラだが、彼女はわかったようだ。にこり、と笑って、胸を張った。

「Salvia・Barbi」

「おかあさん」がつけてくれたなまえで、わたしの、誇りなの。











「それね、「アキノキリンソウ」って言うんだって。しえみさんが去り際に言ってたよ」
「…だからなんだよ」
貰った黄色い花を机の花瓶に生ける自分を、にやにや、しながら見ている雪男に一発拳を入れたい。そんな衝動を抑えながらむすっと頬を膨らました。
「いやあ、兄さんどうせ知らないだろうな、と思って。まあ僕も知らなかったけど。よかったじゃない、あんな綺麗な人に花なんてもらえて」
「てめえ…兄ちゃんをからかって楽しいのか!?」
「うん、楽しい」
我慢できずに拳を顔面に向けるがなんなくよけられて、虚しく壁を叩いた。ちょっと痛いちくしょう。しかし、その手を雪男は握ってくる。
「…なんだよ…」
「…よかった、と思ってさ」
先ほどまでの珍しく揶揄するような笑みはどこかへ消えていた。真摯に雪男はそう言う。
「兄弟でも僕は人間だから…ハーフの気持ちの深いところはきっとハーフにしかわからないだろうし」
握られていた手を振りほどく。しかし乱暴にではなく、そっと。
「……バーカ。悪魔だの人間だのハーフだの考えるの一回やめろって言ったの、おまえだろう?」
「そうだね…。でも、なんだろうな、ちょっと妬ける」
困ったように眉をよせる弟の顔。また、バーカ、と言うと鼻面を摘んでやった。
「いたい、兄さん」
「それでも俺の弟はおまえだけだ」
赤くなった鼻をさする雪男は、ぽかん、とした後、ふ、っと笑った。燐は弟に背を向けて花を生けるふりをした。たぶん、今、あの時以上に顔が赤いという自覚があったから。







あなたに、お導きがありますように。

「神の」とは彼女は言わなかった。
自分達の中には人でいうところの、神には祝福されないものが流れている。それを周りの人間達は不運だと不幸だと、罪だ、と。 情けをかけあるいは糾弾するのだろう。そんな中を、これから先、自分も彼女も生きていく。 けれど、それでも自分達は幸せだと胸を張って言えるのだろう。彼女が悪魔だという母親に貰った名前を誇りにしているように。
燐は神に祝福されたいと思ったことはない。けれど、導かれたいとは思う。弟と一緒に。だがそれは神じゃなくてもいいのだ。
なぜなら、本当に導いてくれる何かというのは、もっと身近にいる者達なんじゃないかと燐は思うからだ。
それでいい。それがいい。それだけで、きっと、人も悪魔も幸せのある所に行けるのだ。















2012.2.5 
すみません、結局名前つけちゃいました。…「サルビア・バルビ」です。サルビアはイタリアでメジャーな花(というかハーブとしてよく使用され)「激しい恋」「家族愛」などという花言葉があります。 バルビはイタリア人名字辞典で語呂のいいのを適当に選んだだけ。イタリア人設定なので一応。